判例の記事一覧

現状有姿によって引き渡すと定められた建物の売買契約では、売主は瑕疵担保責任を負わないのでしょうか。
位置指定道路に面している土地上の建物の居住者は、道路の土地所有者に対し、自動車による通行の権利を有しているでしょうか。
新築マンションの一室を、工事完成前に購入しましたが、工事中にエレベーターシャフトから作業員が落下して死亡するという事故が発生しました。売買契約を解除することができるでしょうか。
投資用マンションを購入した後、購入の約2年前に、マンションの一室に居住していた元所有者の家族が自殺していたことが判明しました。売買契約の解除や損害賠償請求をすることができるでしょうか。
マンションの管理費を滞納していたAから専有部分を譲り受けたBは、その専有部分をCに譲り渡した後にも、Aが滞納していた管理費支払義務を負うのでしょうか。
私の住むマンションは、ペット飼育禁止ですが、室内で猫を飼育し、屋外でも野良猫に餌えさを与えて、衛生上の問題を引き起こしている区分所有者がいます。この区分所有者に損害賠償を請求することができるでしょうか。
売主が売買対象となった、土地に設定された抵当権を消滅させるために金融機関に借入金を返済する行為は、手付放棄の解釈において、履行の着手とされるでしょうか。
建物がAとBの共有となっていましたが、Aが死亡しました。Aには相続人がいません。Aの共有持分は、当然にBに移転するのでしょうか。
現状有姿によって引き渡すと定められた建物の売買契約では、売主は瑕疵担保責任を負わないのでしょうか。
隣地所有者が建物を建築中ですが、境界線から約80cmの位置に、私の住居の敷地を見通せるベランダをつくろうとしています。目隠しの設置を求めることができるでしょうか。
娘が小児喘息(ぜんそく)なので、環境が良い土地建物を仲介業者に探してもらい購入しましたが、購入直後、隣接地に高い擁壁(ようへき)が建ってしまいました。仲介業者に対し、損害賠償を請求できるでしょうか。
環境物質対策を行っているという触れ込みの新築マンションを購入しましたが、入居後、目が痒くなったり咳が出てきたりしたため、保健所に調査をしてもらったところ、高い濃度のホルムアルデヒドが検出されました。売買契約を解除することができるでしょうか。
私の所有する賃貸建物について、購入検討者が現れ、購入して自分で住みたいから空き部屋にしてほしいと言われたので、入居中の賃借人に了解を得て立ち退いてもらいました。ところがその後購入検討者は言を翻し、購入を断ってきました。購入検討者に対し、損害賠償請求をすることができるでしょうか。
半年前に自殺のあった建物の売買について、「隠れた瑕疵につき一切の担保責任を負わない」という特約をつけておけば、買主に対して自殺の事実を説明しなくても、売主は瑕疵担保責任を免れることができるでしょうか。
重要事項説明をしようとすると、購入者や賃借人から「説明を受けなくてもかまいません」と言われることがあります。購入者や賃借人の承諾があれば、重要事項説明をしなくても差し支えはないでしょうか。
買主が売買代金の残代金を預手で支払うといっていますが、預手とはどのようなものでしょうか。また銀行振込による支払をもって決済するということはできないでしょうか。
当社は土地を購入しましたが、売主から、引渡し前に代金を支払ってほしいという申し入れがありました。期日に引渡しができなかったときの違約金を取り決めた上で了承しようと思いますが、違約金の決め方に制約はあるでしょうか。
マンションの管理費・修繕積立金を10年近くも支払わない区分所有者がいます。管理組合から未払いの管理費・修繕積立金の全額を請求することができるでしょうか。
住宅ローンを借り入れて売買代金を支払う計画で、手付金を支払い、住宅の売買契約をしましたが、ローンの借入れができませんでした。それでも残代金を支払い、住宅を購入しなければならないのでしょうか。
不動産の登記には公示力はあっても、公信力がないと言われますが、どういう内容でしょうか。
知人は長年、現在の住所地で生活していましたが、年老いたために息子夫婦との同居を決意し、土地を売った代金で当面の生活費にしようと考えていました。ところが、土地を売却しようと調べてみると、自分の敷地の一部に他人名義の土地があることが分かりました。登記簿を調べると表示登記しかなく、しかも、所有者の名前は表示されていても、その住所の記載がありません。知人がこの土地を処分したいとき、どうすればいいのでしょうか。
隣地の所有者が下水管を設置するにあたり、自分の土地を通らせてくれと申し入れられたが、その申入れに応じなければいけないかと質問されました。裁判所の考え方はどうなっているのでしょうか。
閑静な住宅地にある中古住宅を購入しましたが、隣人から、平穏な生活に支障を来すような迷惑をかけられ続けたために、居住を断念しました。売主や仲介業者に損害賠償を請求することができるでしょうか。
マンション住まいの欠点は増改築が難しいことにあります。  あと一部屋あったら悩みは解決するのに・・・  そこで、目をつけたのがバルコニーやベランダを部屋にする事です。  でも、バルコニーやベランダは、共用部分であり個人の専有部分ではありません。  個人がその用法(ベランダはベランダとして使用すること)に従って専用使用権を有しているだけです。  勝手に改造したり変更したりはできないのです。  この例は、勝手に変更した区分所有者を管理組合が「原状回復の請求」をして認められた裁判です。  バルコニー(ルーフテラス)におけるサンルームの建築は規約違反に当たり、撤去請求は認められる。 

〔京都地判 昭和63.6.16〕

事実の槻要 

マン…
- 平成12年3月21日 最高裁判決 -  

通常、マンションの排水管は、本管(縦管)は共用部分、枝管は専有部分として扱われていますが、本件の排水管は下の階の天井のコンクリートスラブと天井板の間の空間に配置されており、これに上の階の汚水が流されていました。そうして、この枝管部分から漏水して階下に損害を与えたのです。 上の階に住むCさんは、この排水管は共用部分に当るとして階下への損害賠償義務がないことの確認と修理代12万円の返済を管理組合に求めて出訴しました。 判決は、地裁・高裁・最高裁ともCさんの主張を全部認めました。最高裁では、Cさんが階下の部屋を通らない限り排水管の修理はできず、これは共用部分と解するの…
本件は、マンションの居室改装工事によって受忍限度を超える騒音が発生したことについて、工事を設計監理した一級建築士及び工事を施工した業者が階下の住人に対して不法行為責任を負うとされる一方、注文主の責任は否定された事例である。(東京地裁平成9年10月15日判決確定 判例タイムズ982号229頁) 

事件の概要 

X1:原告(マンション居住者) X2:原告(マンション居住者、X1の妻)X3:原告(マンション居住者、X1の長女) X4:原告(マンション居住者、X1の二女) Y1:被告(一級建築士) Y2:被告(工事施工者)Y3、Y4:被告(マンション居室工事の注文主Aの相続人) Xらは、都内にある本件マンション(一階…
【未完成マンションに関する説明義務】 

モデルルームで「二条城の眺望が広がる」と説明され購入を申し込んだ京都市内の新築マンションが、実際は隣接ビルに眺望が遮られていたとして、買主が不動産業者らに損害賠償を求め、大阪高裁が業者側の虚偽説明を認定し約560万円の支払いを命じた訴訟で、最高裁は10月30日までに業者側の上告を受理しない決定をしました(日本経済新聞平成12年10月30日夕刊)。大阪高裁は「未完成のマンションで、売主は実物を見聞できたのと同程度までに説明する義務があり、状況が一致しなければ売買契約を解除できる」としていました。 

【マンション購入後に建物が建てられた場合】 

上の場合とは事案を…
本件は、購入したマンション居室の真下にあった給水ポンプ室から相当程度の騒音が発生した場合について、売買契約の錯誤無効を認めた事例である。(大阪高等裁判所平成12年12月15日判決 上告 判例時報1758号58ページ) 

事件の概要 

X:原告(控訴人、消費者) Y:被告(被控訴人、マンション建築・分譲業者) A:Xの妻B:Yの販売代理人(不動産業者) C:Bの販売担当者 D:本件マンションの設計・施工・監理会社 Xの妻Aは、Xの指示で平成8年1月22日、当時建築中の本件マンションを見たうえ、同マンションの販売センターを訪問し、同センターで売り主Yの販売代理人であるBの販売員Cから本件マンションのパンフレット、図…
1.ペット飼育禁止の管理規約に違反して犬を飼育している占有者(賃借人)に対し飼育禁止を求めた事例  (大阪地方裁判所  平成2年10月25日判決) 判例要旨 


管理規約は「専有部分において、小鳥、魚以外の動物を飼育して、他の区分所有者に迷惑を及ぼす行為」をしてはならない旨規定し、端的に「専有部分内における小鳥、魚以外の動物の飼育を禁止する」とは表現されていない。しかし、この規定は、犬猫などの動物の飼育を禁止する趣旨で定められたもので、原告の規定の運用が一貫してその趣旨で行われてきたこと、及び被告の犬の飼育が他の区分所有者に対して現実に迷惑を及ぼしていることからすれば、被告の犬の飼育は管理規約に違反するもの…